現代人には、空白が足りない。
目まぐるしく物事が進んでいく昨今には
「羊羹」という空白が必要かもしれない。

れんの羊羹の歴史は、
江戸時代までさかのぼる。
加賀大聖寺藩十万石 前田家に気に入られ、
御用菓子商を代々賜った。
藩に心寄せられる時代は、
商いもたいへん栄えた。
けっこうなことではあったが、
我々の本心としては
来る日も汗水を流し田や畑を耕す農家や、
一日中忙しなく動き回る町の商人たちにこそ、
手前の羊羹を愉しんでもらいたいのである。

羊羹というものは、
日常にふわっと舞い降りる、
ちいさな空白のようなものである。
疲れたからだに染みわたる甘味。
心地よく舌に広がる奥深い風味。
憂鬱も、疲れも、気苦労も、
ふわりと消えゆく。
まるで、一日の中にぽっかりと、
ちいさな空白があくように。
明日からも、いそしもう。
明日は今日より、いい日にしよう。
甘くやさしい余韻に、
やわらかな希望と熱が湧いてくる。

気ぜわしい時代を生きる人々が、
山代の湯に癒しを求めて憩うように、
れん羊羹もまた、
人にとってのよりどころでありたいと願う。
れんの印である二つ並ぶ円には、
そんな意味合いもある。

その一日に、羊羹という名の、空白を。
人生は、まだまだつづいていくのだから。

二百年以上もの昔から
変わらぬ形で
つくり続けられてきたれんの羊羹。
より広い世代に羊羹を愉しんでもらいたい
という想いから、ロゴマークを一新。
この先三百年後も、五百年後も、
いつの時代もお客様に
寄り添いたいという想いを込めて。

会社名 れん永昌堂
創業年 1819年(文政2年)
資本金 300万円
代表 瑓 幹子
事業内容 菓子製造販売
所在地 本社・工場
〒922-0242 石川県加賀市
山代温泉18-60-8 MAP
TEL 0761-76-1480
FAX 0761-77-5566